
本日は、往年の名車「トヨタ・スプリンター」のワンオフ製作事例をご紹介します。
とても大切に乗られているお車ですが、オーナー様はフロントパイプに関する悩みをお持ちでした。
【ご相談内容】
1. 排気効率アップ:純正(42.7φ)から、既に装着済みの社外リアマフラー(50.8φ)に合わせてパイプ径を拡大したい。
2. ロードクリアランス確保:車高を下げているため、現状の純正パイプでは路面に干渉してしまう。これを解消したい。

まずはこちらをご覧ください。純正フロントパイプの底面です。
無数の擦り傷があり、一部は凹んでしまっています。車高短車両にとって、フロントパイプのクリアランスは重要な問題です。
通常、「パイプを太くする=地面に近くなる」ため、この2つの要望を同時にクリアしていきたいと思います。

まず、車両のリフトアップ状態で純正形状とフロア周辺を3Dスキャンします。
このスキャンデータが全ての基準となります。

スキャンデータを元に、PC上で新しいパイプを設計します。
メインパイプ径はご希望通り50.8φ。
そして、最も重要なのがパイプを通す「高さ」の設計です。


こちらの比較画像をご覧ください(半透明:純正 / 実体:製作データ)。
純正パイプは、曲げの制約などからフロアに対して少し隙間が空いた(垂れ下がった)状態でレイアウトされていました。
今回の設計では、フロアの形状に沿ってギリギリまで位置を上げるライン取りを行いました。
これにより、「パイプ径は太くなったのに、純正よりも地面から遠くなる(=擦りにくくなる)」という理想的な状態を実現しています。


また、固定方法もアップデートしました。
画像(上)の純正はリジット(完全固定)タイプのステーでしたが、エンジンの振動をダイレクトに拾ってしまう難点がありました。
そこで画像(下)のように、防振ゴムを使用できるステーを新規製作。振動を逃がし、快適性と耐久性を向上させています。

完成した製品がこちらです。
複雑な曲げ形状も、熟練スタッフのTIG溶接で美しく仕上げています。


装着後のフロア下です。
フロアに吸い付くようなレイアウト。
一番低い部分でもしっかりとロードクリアランスが確保されており、これなら安心してドライブを楽しめます。

ステアリングシャフト付近の狭いスペースも、3D設計ならではの精度で干渉なくクリアしています。
今回は事前製作のため、取り付け作業はご来店当日の数時間のみ。
愛車を長期間預ける不安もなく、ワンオフマフラーが手に入ります。
詳しくはこちら
https://exart.co.jp/